空が生まれて3年が経ったある日のこと。


『お母さん、今日は何処に行くの?』


『あれ?お母さん言わなかったっけ?大切な人の結婚式だって』


『僕聞いてないよ!!』


『ごめん。お母さんうっかり言うの忘れてたのかも‥』


『もう‥』

予想通り、愛より子どもの空の方がしっかりしていた。


『早く行かないと間に合わないよ!』


『ごめんって』

私は空に引っ張られながらタクシーに乗り、教会に向かった。





『うわ〜!!』

この教会は、私と聡が結婚式を挙げる予定だった場所だ。


『こんな素敵な場所で式を挙げられるなんて羨ましい』

私はその場で一周した。すると、視界にウエディングドレスを着た女性が近づいてきた。