~7ヶ月記念日~


今日は、愛の会社は休みだった。

『ただいま~』


『あ‥きら?』

私は恐る恐る玄関に行った。


『どうした?愛。怖い夢でも見たのか?』

私は無言で横に首を振った。


『じゃあ、どうしたんだ?』

何日ぶりだろう?聡が私の目の前で笑っている。それが嬉しくて、嬉しくて‥「おかえり」と言いながら抱きついた。


『おっと!!』

勢いよく飛びついたので、聡は体勢を崩して玄関の扉にぶつかった。


『痛っ』


『ばか!聡なんて大嫌い!!』

聡の胸を何度も何度も叩いた。


『ごめんって。だからもう泣くな』


聡は小さい子どもを宥めるように「大丈夫だから、ごめんね」と何度も言いながら私の頭をよしよしって撫でてくれた。



私はようやく落ち着きを取り戻し、話せる状態になった。


『聡‥今日はずっと一緒にいてくれるんだよね?』


『ごめん‥今日は‥って言うか、今日からしばらくここには帰って来れない‥』


『何で?何があったかくらい教えてくれたって良いじゃない!!』

聡は無言で荷造りを始めた。


『誰にも言わないから‥私にだけは‥』

聡の手の動きが一瞬止まったけど、また動き出した。



『私たち‥もうすぐ夫婦になるんだよ?』

泣きながら訴えると、聡が私を抱きしめてきた。


『ごめんな。心配かけてるのは分かってるんだけど‥今は言えない‥。でも、俺を信じて待っていて欲しい!!
クリスマスイヴ‥一緒にいれないかもしれないから、キャンセル‥しておいて』

聡は私から離れて家を出て行った。


『聡‥‥』


私は、その場に座り込んで泣き崩れた。聡を攻めるのではなく、聡を信じきることが出来ない、そんな自分自身を攻めていた。