『私の場合は‥高校の時に父親を亡くしてるから母親の同意だけだったんだ。よく、父親が猛反対して大変だって言うでしょ?』

私は、相づちをした。

『私の場合、それがなかったんだよね。それに姉が2人いて、両方でき婚だったから「お前もか」って母親は諦めた感じかな。片親の大変さをよく分かってる人からさ』


『って先輩、でき婚だったんですか?』


『誰にも言ってないんだから社員には言わないでよ!!』


『あっ、はい‥じゃあ、結婚式はやってないんですか?』


『そうだね‥学生時代の事だしお金もなくてね。でも結婚10年目に、小さな式を挙げるつもり。その時は、旦那さんと一緒に梅沢には来て欲しいな』


『はい。』

私は優しく微笑んで返事をした。


『結婚はいつの予定なの?』

今度は先輩が質問をしてきた。


『入籍は、私の誕生日に。えっと‥来年の5月です。式は、彼の誕生日の予定です。両方「大安」だったんで。』


『へぇ〜。で、式の準備とかは?』


『実は、全然やってないです‥。彼は、私の父の説得が済んでから進めたいって言ってて』


『そっか。でもしっかりした彼氏じゃない。職業は、サラリーマンのエリートコースとか?』


『いいえ。私たちの仕事に近いですよ』


『へぇ〜中にはいるもんだね。』


『そうですか?』


『はははぁ〜まあ、悩み事ならいつでも相談に乗るから、あんまり抱え込まないこと。』


『はい。その時はお願いします』


『悩んで仕事に支障が出たら私が残業になるもん(笑)』


『せ、先輩!!』



私たちは会計を済ませて、職場に戻った。
そして私はあることを思いついた。