『聡の印象、絶対に良くなってるよ!!あともう一押しだね。』

私達は電話をしていた。


『そうか?俺、愛のお父さんと会話してないけど大丈夫かな‥』


『そういえば‥。じゃあ、次はそう言う場を設けるよ。家じゃない方がいい?』


『イヤ、落ち着いて話が出来るのは愛の家だと思う。来月の22日になっちゃうけど‥お願いできるかな?』


『任せて。』


『それから‥』


『何?』


『愛のお父さんって、釣り以外の趣味って何かある?』


『釣り以外かぁ~‥』


『週末欠かさないこととか、部屋に引きこもって何かをするとか何でもいいんだ。』


『そうだね~‥書道‥かな?たまに、墨の匂いがするから部屋で何かやってるのかも』


『ふ~ん。分かった。じゃあ、また近くなったら話しよう』


『そうだね。おやすみなさい』


『おやすみ』



お父さんの趣味なんて考えたことなかったな。同じ家に住んでいても、その人の事を「知りたい」って思わないと、ただ一緒にいるだけになってしまう。
こんなに、お父さんの事を知りたいなんて思えたのも‥聡のおかげだよな。

そんな聡のよさを、どうやったら分かってもらえるんだろう?
これは私に課せられた課題だと思った。