聡は、私の耳元で囁いた。


「愛からキスして」って。



『わ、私から?????』


『そっ。いつも俺からだろ。愛からして欲しいな~ってずっと思ってたんだよな(笑)』


『で、でも‥私そんなこと‥恥ずかしくて‥できないよ』


『あれ~何でもするって言ったのは誰かな?』


『そ、それは‥』


『じゃあ、仕方ないか。俺、今日はこれで帰るわ。』

そう言って車に乗りかけた時、聡の腕を引っ張って


チュッ

って、私から初めて唇にキスをした。


『よくできました』

聡は満足そうだったけど、私は恥ずかしくて死にそうだった。



『帰ったら連絡するな。』


『うん‥待ってる。』


『じゃあな』


『じゃあね』


聡は車のクラクションを1回鳴らして帰っていった。



私は、聡の車が見えなくなるまで見送った。


私達の姿をある人に見られていたとも知らずに‥