深い深い闇の中


深い深い森の中


①羽のカラスが居ました

そのカラスは真っ白く

全身が雪の様に輝く
羽根でおおわれていました

白いカラスは
自分が嫌いでした


他のカラスは真っ黒く

艶やかに輝いているのに

白いカラスは悲しくて恥ずかしくて

皆と一緒に居る事が出来ませんでした


ある時

白いカラスは
森の長老に会いに行きました


僕はなぜ
皆と違うのですか


長老は考えて

言いました


なぜ白いと
悲しいの

なぜ白いと
恥ずかしいの


白いカラスは
怒りました


だって皆
黒いのに

僕だけ
白いから


長老はまた考えました

なぜ
皆と同じが良いの


白いカラスは考えました


長老は言いました


皆が黒いと
お前まで黒くなくては
ダメなのか

お前が皆と違うのは
その羽根の色だけだろ


それ以外は
皆と同じ様に

自由に空も飛べるし
歌も歌えるじゃないか


白いカラスは考えました

僕は何を恥ずかしいと
思ってたんだろう

僕は何を悲しいと
思ってたんだろう


白いカラスは嬉しくなりました


色は違うけれど
僕は皆と同じだ


白いカラスは羽ばたきました


その雪の様な輝く翼に
皆が見とれている事を知らずに