ユリウス暦を採用している正教会(エルサレム総主教庁、ロシア正教会など)の聖ニコラオスの祭日は12月19日であり、主の降誕祭(クリスマス)は、現行の暦に換算すると1月7日でなんだ(2008年現在、ユリウス暦とグレゴリオ暦の間には13日の差があるため)。ロシアでは1月7日にジェド・マロース(Дед мороз, マロース爺さん:マロースとはロシア語で「吹雪」「寒波」という意味)と孫のスネグーラチカ(Снегурочка, 雪娘)がプレゼントを運んでくるんだ。いいよね」
田中はまるで辞書のように話した。
「・・・・・・・・・・・うん、その通り」
阪本は思った。あれ?田中ってこういうキャラだったっけ?サンタクロース、赤い服を来ている、太っていて白いひげを伸ばして、子供たちにプレゼントを配る人しか俺は知らなかった。何、あれ?辞書見たいに長々と、どんだけサンタクロースが好きなんだよ。外国語ばっか使いやがって、お前は外国人か?日本人なら外国語使うな。なんか、くやしい。だめだめ、このままだったら、力関係が逆転してしまう。田中さんになってしまう。なんとかしなければ。阪本は考えた。
「・・・田中、それは間違ってる。お前は本当のサンタクロースの事を知らない。お前に教えてやろう。サンタクロースとは何かを」
「えっ、そうなの。教えてよ。阪本君」
「よし、良く聞けよ。サンタクロースってのはな」
意気揚々と阪本は話しだした。