「ば、ばっきゃやろう。これはあれよ。俺の台のコインだから無理、あげれない。だってもったいねーじゃん」
「ひ、ひどいよ阪本君、ぼ、僕をだましたのかい」
泣きそうな顔で田中が言った。
それを見て。阪本はこういった。
「わかった、今からこのコインを倍に増やす。そしたら、おまえに半分やるそれで文句ねぇだろ」
阪本はパチスロのやり方を周りの客の様子を見て覚えた。
ようは、777をそろえたらいいだけだ。それにコインはたくさんあるしな。
阪本は自信満々にスロットを打ち始めた。
「・・・大丈夫、阪本君」
田中は心配そうな顔で阪本を見ていた。
「安心しろ、田中ほら」
阪本は120円を田中に渡した。
「貸してやるから、向こうの休憩室でジュース飲みながら漫画でもみて待ってろ。コインがたまったらよんでやるよ」
「うん、ありがとう。阪本君。やっぱ僕たち親友だね」
阪本は照れながら答えた。
「ま、まぁな。例えるならロミオとジュリエットかな」
「それは違うよ。阪本君」
「はやくいってこいって」
田中は休憩室に行った。
「さて、それじゃあ、俺もひと稼ぎするかな」

数時間後、いつまでたっても阪本が呼びに来ないので見に行ったら、そこには阪本の姿はいなかった。
「さかもとーーーーーーーーー、あの野郎」
田中は叫んでいた。
そこに一通のメールが田中の携帯に届いた。
内容は「120円返せよ  By阪本」
だった。
後日、阪本は田中にぼこられた。