田中は聞いていた。
「で次に急行というのは、急に出発するという意味だ。例えば、電車に乗るだろ。」
「うんうん」
「電車に乗ったら、いつ出発するかが分からない。急に出発するから急行と言うんだ。わかったか。」
「すごいや、阪本君は知識豊富だね。」
「まぁな。で最後に特急と言うのはな。」
「うん。」
「特急はな。特別に急いでいる人しか乗れないんだ。もし急いでいない人が乗ると死んでしまうんだ。」
「まじで、知らなかったよ。阪本君。だから、電車の事故で死亡しましたってあるんだね。」
「そのとおりだ。田中。電車は知識がなくては乗れない危ない乗り物なんだ。」
阪本は自慢げに言った。
田中は阪本を尊敬のまなざしで見ていた。
「あのうー。」
駅員が声を掛けてきた。
「なにかね。」
「あっ、電車のことなら知っていますよ。阪本君に教えてもらったので。」
田中は駅員に自慢げに言った。
「あのそのことなんですけど、ちょっと先ほどの話を聞くきはなかったんですけど、耳に入ったもので。その、普通と急行と特急の意味と言いますのは、駅の止まる数が違うんですよ。普通がすべての駅にとまり、急行がおおまかな駅にとまり、特急は限られた駅にしか止まらないんですよ。それでは。」
そういうと駅員は去っていった。
「阪本君・・・・・・実は知らなかったの。」
「・・・・・ごめん。見栄張っていただけです。」
「そうならそうと言ってくれれば良かったのに。」
「た、田中。」
田中は笑顔で阪本の腹にパンチをたたきこんだ。
「ぐはぁ・・」
阪本はその場にひざまずいた。そのとき電車が到着した。
「乗るぞ。阪本。」
「はい、田中君。」
こうして二人は電車に乗った。