電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

歩いて数分。学校にたどり着いた。しかも近くに交番があった。
「ここか。」
男の子は交番に行き、道順を聞きに言った。
「あの、すみません。坂村さんのお宅はどのようにして行けばいいですか?」
「ああ。坂村さんの家ね。」
「はい。」
交番のお巡りさんが言ったあと、嬉しそうに返事をした。
「しかし、遠回りだよ。ここ、小学校じゃないからね。」
「え?」
男の子が驚く。
「実は移転したんだ。今は、廃校になっているんだけどさ。」
お巡りさんが残念そうに言った。
「そうなんですか?やっぱり10年もたつと変わるんですね。」
男の子が過去の街の様子を知っていた。
「よく知ってるね。そうなんだよ。10年前から移転したんだ、この小学校は。」
「じゃあ、街も?」
「さあね、どうだろう。」
すると、幼き記憶がよみがえった。
長く続く鳥居の中を進み、縄跳びをして遊んでいる姿。