電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「そうだ。マカフシギの口には鋭くとがったキバがあるんだ。そして、最後には―――」
「最後には?」
「お腹の中で骨だらけになって消える。」
―――
「ひいいいいーー!」
みんなが驚く。


「なんてな、嘘だ、嘘。そんな怪物がいるわけないだろう。」
忠が嬉しそうに言った。からかって気分が楽しくなったのだろう。
「騙したのかよ!」
健輔が怒った。
「騙したつもりは全然ないんだけどな。」
忠が言った。でも反省はしていなそうだ。
「嘘つけ!本当はバカにしたかったんだろう。」
健輔が怒りながら言った。
「でもさ、実はマカフシギはいるんだ。」
突然、宏泰が言った。
「な…なんだよ!突然忠の味方しやがって。」
健輔が指を指して言った。
「そうだ。忠の嘘つきは本当に…」
「俺、昔あったんだ。夏祭りの時、裏側で。小さかったけど影の妖怪を。」
宏泰が怖かったように言った。