「駅に、裏道?」
健輔が興味深く聞いてきた。
「ああ。駅員達からの噂話だけどな。」
宏泰が言った。
「へー。聞いたことないな。」
忠が言った。
「本当かよ、それ。」
健輔が疑う。
「噂話にはまだ続きがあって、その『向こう』にはキラビーがたくさんあるらしい。しかも、ギガキラビーだぜ。」
宏泰が言った。
「でもさ、そこには危険があるんじゃないか?だってよ、霧界【霧煙世界】(キリエンセカイ)だろ。もしかしたら……。」忠が言った。
「ビビるなよ。どうせおとぎ話なんだからさ。」
健輔が言った。
「そうそう。《あれ》なんか出るわけない!」
宏泰が自信満々に言った。
男の達は怖いもの知らずかもしれない。恐怖感なんてまっさら感じないのだろう。ただ、興味がある場所は徹底的に探る。
男子達は駅に向かう。悟州都駅に一体何があるのか私は分からない。一緒にいないから。