電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

「２人はあの話の前に、何の話してたんだろう？」
と愛子先生が言った。



「なあ、忠って来ないのか？」
健輔が言った。
「さあ、なんか学校に用事があるとかでさ」
武志が言った。
「そう言えば、最近放課後残ってないか？だって、いつもは一緒に帰っていたのにさ、急に“オレ、残るから”とかなんとか言ってさ、絶対何か隠しているよな。」
宏康が言った。
「もしかして、学校に“アアイウモノ”とかでたり…」
と、武志がいいた。
「それは無いんじゃないか？」
健輔が言った。
「なんで？」
と、宏康と武志が言った。
「だってさ、“アアイウモノ”は学校には絶対出現しないものだ。この前みたいな“アレ”とは違ってデリケートだからな。忠だって知っているはずだろう」
と、健輔が言った。いつもの空き地。夕暮れの日。オレンジ色に照らされている。