電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「…怖い?」
「うん。だって、絶対漫画家になれるって保証はない。つまり、何千人、何万人の中で有名になれるのはほんの一部。そう考えると、絶対自分の夢はかなわないって確信しちゃうから」
「…私は本当は芸能人になりたかった。でも、私も、深く考えちゃって。だって、芸能人って生き残らなきゃいけないでしょ。それに、親にまで馬鹿にされると、もう、どうしたらいいんだろうって。―――。本当は私、寂しかった。だから、気楽に考えて行こうって思った。でも、なんか美希に出会ってよかったのかも。うん。私変わろう」
「え?」
「なんか、怒られるのも嫌になったし。美希。ありがとう」
「そ…そんな、別に私変なことしか言ってなかったし、む…むしろね、智美ちゃんを気づつけた気がして」
「ううん。本当は私、自分を変わらせたかった。自分を変えたかった。でも、怖かった」