電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「でも、日本の方が暮らしは豊かだと思うよ。私はまだ、都会に住んで間もないから、詳しくは分からない。でも、世界中にはまだ、日本みたいに豊かに過ごせない人々がたくさんいる。そう考えると、日本で良かったって思うけど?」
「美希は考えが甘い!」
「え?」
「外国なんか、みんな自由にやっているんだよ。好きな事、やってみたいこと、確かに親の反対があるけれど、みんな後悔なくやっている」
「智美ちゃん。智美ちゃんは、そう思うかもしれない。でも、本当はみんな大変だって分かってやっている。人間楽しては生きれないのは親から教わった。でも、こうして生きるために生まれてきたんだから、精一杯自分の人生を歩まないと。」
「…意外と美希って大人かもね」
「え、…全然そんな事ないよ。私だって、本当は漫画家になりたいって夢があった。でも、今では怖いの。」