電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「これって、さっきありました?」
私はその黒い本を手に取ってみる。別にホコリはかぶっていないし、見た感じ古そうな本ではなさそうだ。本の表紙には何が書いているのかさっぱり分からない。
「ちょっと見せて。」
咲恵子さんにその黒い本を渡す。じっくり見るが、
「そうね。こんな本見た事がないわ。」
咲恵子さんが言った。そのあと智美ちゃんにその黒い本が手渡って、

「そうね。私たちが見たとき確かにこんな黒い本無かった。」
智美ちゃんが言った。すると、その時、一瞬だけこのタイトルの文字が日本語に変わった。『妖怪…大、図…鑑』。そう、ハッキリと読めたのだ。でも、2人は気付いていない。
「妖怪大図鑑って書いてあった。一瞬だけどそう読めた。」
私は2人に言った。
「え?もしかして、パライグラ文字?」
咲恵子さんが言った。
「パライグラ文字?」
私と智美ちゃんが言った。