電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「その言い方、いないみたいな言い方だね。お姉ちゃん。」
「そうね。」
「アハハハハハ……。」
二人は笑う。
って事は、由梨さんがどんな人物なのか、そして、本当にあの時話した事は本当だったのか。まだ、分からない。でも、なぜだろう。なんで気になるんだろう。でも、由梨さんはペットの管轄だとは智美ちゃんは思っていなかったし。
そう言えば、男の人と一緒に歩いている記憶。そう言えばあの時から見なくなった。確か、由梨さんとばったり出会ったとき。あのときから記憶が無くなった感じだった。
私はそんな事を考えながら、本の背表紙を見ながら探していた。きっとあるって信じたい。
「美希、いくら探してもないよ。一通り見たんだから。」
「で…でも、もしかしたら。…?」
私は黒い背表紙の本を見つけた。
「どうしたの美希ちゃん?」
咲恵子さんが言った。