「どうなんだろう?」
私は智美ちゃんの言葉に疑問形で返した。
「でも、確かかもね。」
「なにが?」
「ツンツンって、最近の市役所のあだ名ではいないみたいだし、昔の人かもって言われているから。」
智美ちゃんがそう言った。
「でも、おじいちゃんはなんであんな世界を作ったんだろう?」
「そういえばさ。美希って電界は知らないって話してたよね。」
「うん。梅林町には電脳世界は存在してなかったから。」
「もしかしたら、“あの事件”が関係しているかも・・・。」
「“あの事件”?」
「うん。昔、梅林町で電信柱が突然消える事件があって、その原因が“電界”の影響だって噂が立って。市民は最初から反対していたから、さらに市民は反対デモを引き起こした。で、結局、電界は取り除くことになったって話。」
「へえ。私も知らなかった。」
私は言った。