電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「ねえ、さっきの札は?」
私は智美ちゃんに聞いた。すると、
「ああ、これね。おばあちゃんが発明したの。妖怪退治用札、名付けて“バリア”。」
「バリア?防ぐ?」
「あ、違う違う。バリアはバリア・ルケスト・ラナーションの略で。バリアは妖怪封じ、ルケストは攻撃的、ラナーションは札技(ふだじゅつ)って電界用語で来てるみたい。」
「バリア…なんとかは、普通に作れるの?」
「材料はなんか、メラコリが原料みたいで、大量生産は難しいみたい。おばあちゃん、メラコリが100g20000円で取り引きされているみたいで、困ってるらしいんだ。」
「メラコリって?」
「え、梅林町に無い?確か、生産地が梅林町って聞いたけど…。」
「え…。そうだったのかな?」
私は半信半疑だった。梅林町は確かに田舎、ド田舎って呼ばれていた。でも、私は自然が好きだから、全然気にしなかった。