電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「え?」
「なんか話を上手く合わせようと、自分で話を作っているんだって。…私が産まれた時も―――。」
「そ…そんな…。―――でも、きっと戻るよ!記憶が。忘れていたことでも、急に思い出すことだってあるよ。」
私は精一杯智美ちゃんを励ました。…励ましたつもりだった。でも、智美ちゃんは、
「いいよ。無理しなくても。忘れてしまったら、元に戻らない事もある。私は気にしない。実の子供だってことには代わりないし、その事はよく覚えているんだって。」
「でも一体何があったんだろう?」
「さあね、私もそれ以上は触れないことにした。お母さんにこれからの人生、楽しく生きてほしいから…。」
そう、智美ちゃんが言ったとき、意外と智美ちゃんは優しい人なのかもって思った。
でも、気になるといえばこの図書館。なんか違う雰囲気が…。