電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「ちょっと来てくれる?」
と、智美ちゃんが言った。私はいいよと言い、歩いていく。
少し歩いた先は図書館だった。“悟州都立図書館”と看板が。ここは図書館なんだ。私は初めて見た。なんか、こう、デザインにこだわった感じだ。光が入りやすいようにガラス張りになっているのか、明るそうだが、紫外線は多分すごいのだろう。
図書館の中に入っていくと、智美ちゃんはすぐに本を見つけたように、2人掛けのテーブルとイスの場所で本を見せてくれた。
「…これが、黒い人。」
「え?こんな人間みたいな妖怪?」
私はつい、大きな声で言ってしまい、図書館中に私の声が響いてしまった。
「美希。図書館だから静かに。」
「…あ、ごめん。」
智美ちゃんから注意をされた。でも、確かに図書館という、みんなの場所だから…。しかし、あれも妖怪なんだと少し疑う。