電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

私は、その指を指した方を見ると、ただ黒い人がたっているだけだった。
「それが妹?」
「うん。普通の人には黒い人にしか見えないけど、妹だよ。」
晃君は笑顔で手を振ってくれた。私も笑顔で手を振り、モジマルのドアの向こうへ歩いていく。


少し、気が遠くなった。
車の音だ。駅に着いた。元の世界、空気がおいしい。おいしいとはこの事なのかな?
「美希!」
誰かが呼んでいる。
よくみたら、智美ちゃんだった。
「智美ちゃん。」
「ゴメン。メール呼んだ?」
「え?メール。」
私は受信履歴を見た。しかし、“ありません”。
「来てないよ。」
「うそ!」
すると、遅れてきたのか、
“1件受信しました”
「いま、来たみたい。」
「そうなんだ。まあ、いいや。駅にいて、さあ、行こう。」
智美ちゃんはそのまま、気にしなかったけど、もしかしたら………。