電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「ここ、戻るには何か小細工が必要だけど、お姉ちゃん?」
晃君は私の顔をみて心配してくれたのかもしれない。私には智美ちゃんに電話をかけてみることにした。
「…ピ。プルル、プルル、プルル、ガチャ。」
「あ、智美ちゃん、どうしよう!死神世界とかなんとかの世界に入っちゃった!」
返事がない。私は智美ちゃん?と聞いてみた。すると、女の声で、
「連れていく、連れていく。」
「な…なに?今の声?」
私は直ぐに横を見た。すると、大きなカマを持った、死神が現れたのだ!
「ウソ?死神。」
「もしかしたら、美希お姉ちゃんをこの世界に閉じ込める気だよ!!」
晃君が辺りを見渡す。そして、逃げ隠れそうな場所を見つけると、
「美希お姉ちゃん、こっち!」
私は晃君を信じて、走り出した。
「うん。」
そして、死神も追いかけてくる。