電界妖怪 〜ﾏｶﾌｼｷﾞ〜 ①

「これは？」
石崎役員が言った。



「ブーッブーッ。」
携帯のバイブレーションが鳴る。
「誰かしら？」
由梨が携帯を見る。そこには“石崎役員”と。


「もしもし、石川委員長。今、少年が異世界に入ったようです。」
「何？一体どこへ？」
「…死界(しかい)。……死神世界です。」
―――――小さい子供が手を伸ばす姿を思い出す。

「……また。」
由梨が小さな声で言った。
「また？またって何が？」
石崎役員が由梨に聞いた。
「何でもない。場所は…うん、…うん、分かった。私で大丈夫。心配しないで。」
由梨がそう言って、携帯を閉じる。
「同じことは二度と繰り返さない！……そう、心に誓ったんだから！」
由梨は急いで目的地へ向かった。



結局、私は後を追うことにした。でも、今のところ手掛かりはないから、昔の新聞を読んでいた。