電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「同じ場所。」
「ええ。交通事故ではないみたい。でもご両親は詳しくは説明しなかったし、警察は知らない。市役所も一切話さなかったわ。」
「じゃあ私が見た晃君って…?」
「もしかしたら、まだ自縛霊として妹の事を探しているのかも、知れないわね。」
先生は青空に向かってそう言った。公園には静かな風が吹いている。私と先生はそのまま、公園のベンチに座っていた。私はこれからどうすればいいのかな?晃君との約束を破るのはいけないこと。でも、私には何が出来るの、私には…。



「美希は一体先生と、どんな話をしているんだ?」
宏泰が言った。公園の茂みに隠れて様子をうかがっている。
「うん?」
宏泰のサーバーにメールが届いた。そこには市役所から。
〔宏泰君へ さっき調べてきたけど、市役所にはやっぱり情報がないみたい。晃君については、もしかしたら隠されたか、削除されたか。