電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

また天井を見つめた。私はまた、デンタと一緒に寝た。もしかしたら、寂しいのかも、私自身が。



―――――今日の夜中。遅く帰る会社員。酔っぱらってフラフラ状態のまま、暗い街灯の道を進んでいく。すると、遠くから犬の遠吠えが聞こえてくる。
「な…なんだ?」
会社員は恐る恐る言った。
そして、だんだんと近づいてくる。そのまま犬の遠吠えが大きくなるにつれ、自分自身が次第に動けなくなってきた。
「う…動けない!!何でだ、コノッ!」
会社員もイラ立ちがだんだん込み上げてきた。そして、
「うあああああ!!」
そこには会社員のカバンしかなかった。
それからその会社員の行方は知らない。



朝。目覚まし時計が鳴り響く。ピピピッ、ピピピッ、私は少しうなされ、目を覚ました。直ぐに起きてみると、デンタはもう私が起きるのを待っていたかのように、お座りをしていた。