電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

街灯が私たちを優しく照らす。時々あたる街灯の光が、私たちをどこかに導き出しているかのようだった。そしていつもなら20分かかる時間をなんと半分の10分だった。ただの偶然だと思い、私とお母さんは別に気にしなかった。
「ただいま。」
私がそう言うと、走って
「早く夕御飯。お腹好いたよ。」
「はいはい。今作るから。待ってて。」
お母さんが必死に靴を脱ごうとしている中で、お父さんは
「早く。早く。」
と、焦らしている。
「私が手伝うから、お父さんも手伝って。」
私はお母さんがかわいそうになり、強制的にお父さんも手伝わせようとした。
しかし、何にもしない。特にお父さんは仕事はきちんとやれる方なのだが、他の仕事はしたくないのか、嫌な顔をする。私だって嫌なときはある。でも、それで怠けていたら自分の体がついていけなくなる。