電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

私はあの時智美ちゃんと何も言い返さないまま解散した。結局、もう夜だ。親が心配する時間帯だ。私は急いで帰りたかったが、それがすぐに出来なかった。私はもしかしたら、何かを求めに来た。そしてそこでの情報収集に私は……。
「美希?」
とっさに私の名前を呼ぶ。ふと、頭を下げていた私は顔をあげた。そこには買い物袋を両手に持ったお母さんがいた。
「どうしたの?こんな時間に。」
「ちょっと友達の家に。」
私は簡単にお母さんの質問に答えた。
「ところでお母さんは何しに?」
私は分かるのだが、一応言った。
「見ての通り、買い物。今日何にも冷蔵庫の中、空っぽだったの。最近物忘れがひどくてね。」
「確かにこの頃、忘れやすいね。何かあったんじゃない?」
私はお母さんに言った。
「そうなの。」
そう、会話しながら夜道をお母さんとふたりで歩いた。