電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①

「知らなかった。そんなに値上げしていたなんて。」
忠がベンチから立ち上がって、そして言った。
「子供の頃。あんなすごいものが五百円で販売して、売り切れ続出して、やっとのことで買えた未来の機械、電界バンド。あのときはすごく嬉しかったな。」
武志が言った。
「それが今では……値上げ。」
「おい。ちょっと聞きたいことがある。」
話の途中で女の子が突然聞いてきた。
「な…なんだよ。」
「この街に封界に行ける古いバンドを知らないか?」女の子が言った。
「お前さ、バカだろう。大体どうして法律で禁止している封界なんか持たなきゃいけないんだよ。」
健輔が言った。なぜか反抗、反撃、しているかのようだった。
「お前らに聞いた私がバカだった。失礼する。」
そう言って、健輔達の元から走り出し、止めていた自転車に乗り、去っていった。