頑張って思い出してみた。「あの、僕はどこに行くのでしょうか？」
そろそろ本題を持ちかけた。
「私の故郷の町です。」
「故郷の町？」
「はい。花の島のビールトヘ。」
「でもどうして僕がこんなことを？」
「それは時が進むに連れて分かってくるはずです。」
そう言って急に黙り始めた。
時が進むに連れて…。僕はいつごろ元の世界へ戻ることが出来るのだろうか。家族は心配していないか。大問題は起きていないだろうか。そんな不安が一変に押し寄せてきた。僕はそれに潰れそうになったけど、それでも僕は負けないように頑張った。


ふと目をつぶっていた僕はそっと目を開く。そこには一面の花畑が広がっていた。凄かった。言葉をなくしたかのように、言葉を失った。人生の中で初めてだ。こんな幸せな世界を見ることが出来るなんて。僕は心の中でははしゃいでいた。
「ここが花の島の…。」
「そうです。ここが花の丘・パーヤカイです。このまま北へ行けば私の故郷に着けます。」

「あの、僕は元の世界に戻ることが出来るのですか？」
「大丈夫です。時間は止まっています。だから大丈夫です。」
そうですか。僕はイジメをやめさせてほしいとの願い事が答えたのか、僕は願いが叶えられるチャンスを一度だけくれた気がする。
これを機にイジメをなくせるかもとふと思った。