大陸の冒険 アダナレロと天空の島

僕は一時、気を失っていた。
ゆっくり起き上がって見ると、みんな気絶をしていた。しかし、回りには僕と倒れていなかったヒサマさんが立ち膝をついて。しかも苦しそうに。
お父さん!
僕は先にお父さんの側へと駆け寄った。心配だったから。
―――無事だった。怪我はあのとき意外は無かったから一先ず安心した。
次にヒサマさんの所へ行ってみることにした。一体何が起きたのか、そしてどうしてヒサマさんだけが、こうして生きているのか。
「ヒサマさん!大丈夫ですか?」
僕がそう言うと、茂男君が、
「まだ、生きていたか!しぶとい奴だ。」
と、言うと
「まだだ。」
「あ?」
「まだ終わっていないだろう?」
ゆっくりと立ち上がるヒサマさん。
「ヒサマさん!そんな体で!?」
僕は言った。
ヒサマさんはそのあと話し続けた。
「実は俺が、バリアつまり、防御壁の魔法を唱えたんだ。だけどみんなを救うことは出来なかった。」
「どうして?」
「みんなが遠慮したんだ。ただ、足手まといになるからじゃない。人数が少ない方が戦いやすいと思ったんだろう。」