ら、車の中に揺られる。途中寄り道したスーパーの袋が目の前から見える。
「次は、どこ行くの？」
僕はちょっと不安そうにお母さんに聞いてみた。
「次は、家。」
「えっ…。まだ三時だよ。早すぎない？」
「全然。」
予想通りの答えが帰ってきた。お母さんはちょっと変わった存在だからみんなと違って感覚がずれている。それには理由があった。

昔お父さんから聞いた話によると、小学校の頃のお母さんから代わり始めていたという。なんかみんなと一緒が嫌だったらしく、一人で何でもやる性格だった。みんなと一緒についてくると遅いからとかなんとかで、お母さんはイジメをやっていたそうです。でもお父さんはそれを見て止めに来たらしくお母さんをおとなしくしてくれたことが、お母さんとお父さんの出会ったキッカケだったのです。でもイジメていた事は許してはもらえず、友達という存在はお母さんにはなかったのだ。

イジメ……。そんな話をしていたらまた昔の過去が蘇ってしまった。
「はい。家についたよ。」
いつの間にか家に着いていた。
僕は荷物を持ち、お母さんはシャッターを開けて車を入れようとする。
「……なんか忘れてる。」
「どうかしたの？」