大陸の冒険 アダナレロと天空の島

なんかいい響きだ。

そう思うのは僕だけだと思うけど。
僕はその本を閉じ、下へと降りていった。

「今日は…お父さんの誕生日。」
そうだった。僕のお父さんは5月16日が誕生日だったのだ。すっかり忘れていたのだ。
「その顔は、忘れている顔ね!」
──ドキッ!
「なんで分かったの?お母さん。」
「簡単よ。顔に書いてあったから?」
「本当!?」
お母さんは鋭い。お母さんはミステリーなドラマが好きで、いつも見る度に犯人が分かり簡単に分かって、詰まらなそうな顔をしている。

今年もお父さんの誕生日プレゼントはなかった。
「ごめんね、お父さん。誕生日プレゼント無くて…。」
僕はイスから立ち上がりお父さんの写真に謝る僕。
それを見ていたお母さんが、切なくなっていく姿を見ていない僕。

──夕食後

「もう一度確かめてみよう。」
僕はあの本を確かめてみたくなった。
もう一度本を開ける僕は、なんか心臓がドキドキして堪(たま)らなかった。
そこには、僕が読んだ所にはもう何も文章が無かったのだ。
何でだろうと、本全体を探してみた。しかし、何も不思議な所は無かった。
そして最後のページをめくってみたら…、