大陸の冒険 アダナレロと天空の島

「えっと…。」

本を開いてみた。中はいたって普通。
――――
彼は妹を助けるために、旅立つ物語です。

僕は本を読むのが苦手だったが、この本はなぜかスラスラと読める気がしたのだ。僕の読んだことがある本は、短い小説の集まり、文集しかない。本の奥深さをこの時に、初めて知ったのだ。
この本の物語は多分、仲間を救いたいという気持の現れなんだと思った僕でしたが、違ったようです。
なぜなら、妹を救うはずが、被害を受けた住民の願いを叶えたらしいです。


「えっ?」

僕はふと考えた。なぜかこの物語は、ほんの十数ページしかなかったのです。
まだ本を読み始めた僕でしたが、まだ10分しか経っていませんでした。

「何でだろう?こんなに早く読み終わるなんて。」
「晩ご飯よ!…まあ、珍しい。正俊が本を読んでいるなんて!」
やっぱりお母さんは驚いた。予想通りの結果だった。僕は本を読みながら考えていたのだ。きっと僕が本を読んでいる姿をみたら、驚くだろうと…。
「僕が本を読んでいたら、おかしい?」
と聞くと
「全然!本は心を落ち着かせてくれる魔法の言葉だから。」

「魔法の言葉…。」
僕はその言葉が心に残った。