大国軍団の本拠地に向かっていた僕たちは、村長とセイミさんが地図と方位磁石を見ていた。
「セイミさんって地図の見方に詳しいなんて。」
「そんな、私はただ役に立ちたいから。」
こんな感じでセイミさんもこの空気に慣れてきたみたい。
船は真東に向かって進んでいる。地図が飛んでいきそうな強い風。それをなぜかコンパスと方位磁石が抑(おさ)えている。
「光の塔は一体どんな所なんですか?」
セイミさんが言った。
「そういえば村長、ただ大国軍団の本拠地しか言ってなかったよ。」
リームさんが言った。
「とても奥が深いのじゃ。」
「?」
みんな首を傾(かし)げる。
「つまり、高さはあまりないけど広さはあるのじゃ。」
「なんか変わった本拠地ね。」
「そういえばセイミってさ。」
「呼び捨て?初めてあった人じゃ。」
僕は小さい声で言った。
「なんですか?」
「君、僧侶(そうりょ)なんだろう。」
とビートズさんが言った。
「よく分かったね。」
セイミさんも驚く。
「どうして分かったの?」
「格好だよ。案外珍(めず)しい服装だったからさ。」
ビートズさんが言った。
セイミさんは人の気持や言葉などが分かる僧侶。そんんな中、