大陸の冒険 アダナレロと天空の島

出てきた。
「ナイカタの村長！」
「皆さんのおかげで、毎日の夜は元の生活になりそうじゃ。」
「それはよかった。」
楽しく飲み食いする大人。お酒をジョッキに注ぎ、肩を組みながら歌ったり踊ったりしている。
するとふとセイミさんがこんなことを言い出した。
「やっぱり大人は分からないわ。」
「セイミさん？」
「あたし、同級生みたいだけど一歳年下なの。まだ１９歳。」
「それで。」
僕は聞き返す。
「大人はいい年をして何をしたいのか、お酒を飲みすぎてもいい事は起こらない。」
「そうかな。大人は休憩したいんだと思う。」
「休憩？」
「小さい頃、お母さんから聞いたんだけど、お父さんにお酒を飲んでいなかった日があったんだって。そしたらあの優しいお父さんが怒ったんだ。」
「以外ね。」
「会社や仕事で疲れているから、ちゃんとゆっくり休みたいんだよ。」
「なるほどね。大人も子どもと同じ複雑なんだね。」
そう。親は子どもには厳しくするけど、自分にはあまい。厳しすぎない。そんな親は子どもに嫌われないのだろうか。
きっと家族も大切な絆(きずな)。愛情や優しさを子どもに教えている。だけど厳しすぎるのはやり過ぎなのかも。