ニヤける隊長。
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない。」
「闇の図書館の入り口を見つけられるか……な。」
小さい声で言った隊長。
「いま何て?」
大国軍団の一人が聞く。
「いや別に何でもない。それより、見つけたか?あそこまでの近道(ショートロード)。」
「いえ、まだです。」
「早く見つけるのだ。あいつらよりも。」



「ね、近くに街があるんだよね。」
「そうね、村長は知ってますか?」
村長がいない。
後ろを振り向くと村長は止まっていた。
「村長?」
「ワシは嫌われておるのかの?」
さっきまでの事を気にしていた。いまだに…。
僕らはなんとかして村長の苦い思いを忘れさせようとした。
ありがとう。
とお礼をした村長。再び歩き出した。
「気を取り直して。確かナイカタじゃ。」
「ナイカタ?」
僕は言った。
「あ、確かきれいなライトアップで有名な街よね。」
リームさんの目が星クズのように輝いている。まるで憧(あこが)れているように。
「ライトアップ?」
僕はリームさんに尋ねた。
「街中がきれいに輝くの。まるで天国にいるみたいに。」
ちょっと大げさと思った。でも一度は見てみたいと思ったから別にいいかな。