気がつけば午前三時。

 ヒメは、まだ戻ってこない。


「長居してすみません。そろそろ帰りますね。ヒメノが帰ってきたら連絡貰えますか?」


 陣くんと携帯番号を交換して、彼を玄関まで見送った。

 お邪魔しました、パスタ美味しかったです、と最後まで礼儀正しい陣くんは夜の闇に紛れていった。

 陣くんが帰って気が抜けたのか、なんだかどっと疲れが出てきた。


 明日は休みなんだ。

 片付けも風呂も、後でいいや。


 ふらふらとベッドに入った俺は、複雑な気持ちを抱えながら眠りについた。