「コレ、向こう置いとくな」 ヒメは皿を台所へ運ぶと、奥の部屋へと歩いていった。 取り敢えず、俺の料理はヒメのお気に召したようだ。 まだ残っている炒飯をつつきながら、何気なくTVを見ていると、部屋着から私服に着替えたヒメがペタペタと歩いてきた。 黒いガーゼシャツに、白いボンテージパンツ。 そういう格好をすると、不思議とヒメがバンドマンに見えるから凄い。 「ちょっと、出掛けてくる」 わざわざ俺に言わなくてもいいのに。 「ああ、うん。気を付けて」 軽く返して、俺は視線をTVに戻す。