結局、俺が折れるカタチで夕飯の準備に取りかかる。 テレビの前に座っている姫の後ろ姿は、体型の分からないラフなTシャツと緩めのジーンズ。 長い髪も相まって、女の子にしか見えない。 男の割りに細いし、色白だし、背だって俺より10センチ以上低いし……。 ……て! 観察してどうする! ガシャガシャとフライパンを揺らし、わざと音を立てて気を紛らす。 そうでもしないと、勝手に妙なことを考えそうだった。