俺様プリンセス【BL】

「……っ」


 スニーカーを脱ぎ捨てた俺は、ヒメに貸した部屋の戸を乱暴に開けていた。


「な、なんだよ。びっくりすんだろ!」


 トランクの前にしゃがみ込んでいたヒメが、俺を見上げる。


「びっくりしたのはこっちだ! お前、今までどこに……っ!? ヒメ、それ……」


 外に居るときは薄暗くて分からなかった。

 蛍光灯に照らされたヒメの口元が、青紫に変色していることが……。


「ああ、コレ?」


 ヒメの指が、口元を隠すように添えられた。

 口の端が切れて、かさぶたになっている。

 よく見てみれば、頬に擦り傷まで……。