目が覚めたら、また、ヒメが隣にいるんじゃないかと思ってた。

 折角用意してやった布団を無視して、俺の隣にいるんだ、って。


 でも。


 ヒメは帰ってきてはいなかった。
 

 ……、て、昨日もそんなこと考えた気がする。


 ベッドから下りた俺は、洗面所に行こうとして、ふとヒメに貸した部屋が気になった。

 戸を開けると、薄暗い部屋の中に布団と、ヒメの荷物が鎮座している。

 開けっ放しのトランクからは服がはみ出ていて、ついさっきまでヒメが使っていたように見えた。


 こういうのって、なんか女々しくないか?