昔何があったんか
知ってるって。

言った瞬間、

祥子の顔は青ざめて
耳をふさぎこんで
全身震えだした。


やっぱり、

祥子の中には



“消えへん傷”がある…。


多分俺に知ってほしく
なかったんやと思う。


わからんけど、

まだ祥子の傷の欠片しか

わからんねんけど、

俺は知りたい。



知っても祥子を嫌わんで。

この気持ちは変わらんで?


祥子の耳元で

「俺がおるから!!」

って言うた。


祥子は汚いばっかゆうて

泣きじゃくってた。



不安もある。

辛くもなるかもしらん。

でも

祥子と幸せを探したい。