「僕っ…マカロンまで用意したのに振られちゃったよぉ〜」

ブサイクな男がみっともなく泣いていた。

「泣くなよ信夫。天下の美野里様だぞ?いくら何でも無理があるって。」
友達らしきブサイクが慰めていた。

いや、それは別にどうでもよくて聞き捨てならない言葉を聞いたぞ?


天下の美野里様だって?
誰だよソイツ!

天下どころが世界!宇宙は俺のものだっつの!


あんたのものじゃないよ〜

女王様と同じようなこと言ってるよ〜


「おい、そこのブス夫!美野里って誰だ?」

人にものを聞くときは丁寧にいいましょう。


「ひっ!狐元族長の翼さん!」


顔が凄いよ信夫君!

「俺のことは知ってて当たり前なんだからいいんだよ!美野里だよ美野里!」

こっちも呼び捨てかい!?

「はっはぃ!美野里さんは阿美他市では知らない人はいない美人です!その美貌で何人の男を斬ったかわからないとか!」

なんだ?そいつ?
隣町じゃねーか。


「へぇ〜俺を差し置いて有名何てよくやるじゃん。今度は俺が斬ってやるよ。」

翼君は発情期。


翼君もまた女王様とは違った競争心が芽生えたのであった。