なぁ、梨音。 今だから言うけど、俺、お前の第一印象かなり最悪だったよ。 表情怖いし、口調乱暴だし。 でもあの沈黙を破って、お前から名前を消えてくれたり 笑顔を見たり 握手を求められたとき。 俺は初めて、少し本当の梨音に近付けた気がしたんだ。 本当のお前なんて、実は少しもわかってなかったくせにさ。 七年経った今でも、俺の手からはお前の熱が消えないよ。 消えないよ、梨音。