「野澤と距離を置くしか…ないんじゃないのか？」





俺も学生時代水泳部だったから、恋に溺れてプールから去る男をたくさん見てきた。




「やっぱり…、そうですか…。」




一色は、小さくため息をついた。






一色は中学の時からトップスイマーの道を歩いている。




今年のシーズンも、１年生にもかかわらずインターハイに出場した。





…水泳部顧問の俺の立場から言わせてもらうと、そんな一色の輝かしい実力を、たかが一時の恋愛ごときで潰したくない。





そのためには…

野澤と距離を置くのが一番だ。