一色は、自分が恋に溺れるタイプだと自覚していたようだった。





『だから野澤さんの告白を断っていたのに…』





水泳の記録が少しずつ下がり始めた時に、俺は一色から相談を受けた。




前々から一色の様子がおかしいと思っていたが…、そういうことか。





一色の話によると、野澤から何回も告白され、その情熱に根負けしたらしい。




中学の時にも彼女がいた一色は、彼女にかかりきりになることで自分の力が下がってしまうことをよく理解していた。






今度のケースも、それによく似ていると言う。