そして8月後半。 ムンムンと沸き上がる湿気を含んだ熱気を疎ましく感じながら、俺は桃北の近くにあるプールへ足を運んだ。 久々にプールサイドに立った。 ――この感覚。 変わってないな、何もかも。 俺はまだ誰も来ていないプールを軽く見回して、端っこにあったベンチに座った。 …そのベンチの上に、輝く小さな物体を発見した。