斉藤は、桃北で体育教師をしている。
俺から水泳部を引き継いだ時は新任教師だったが、今やすっかり『先生』の顔になっていた。
「都築から聞きまして。…ここでコーチをしていると。」
隣の莉央は、少し罰の悪そうな笑顔を俺に向けた。
「3年の山田と2年生3人が今度インターハイに出場することになりまして…」
俺達は、プールサイドの長椅子に腰掛けた。
「その間、水泳部を空けることになるんですよ。ですから、その…」
斉藤は、言いにくそうにうつむいた。
その様子を見た莉央は、斉藤の代わりにこう言った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…