離任式の日、俺は結果的に莉央を振った。 …きっと、莉央は泣いただろう。 しばらく水泳に集中できなかっただろう。 それでもきちんと復活してくれた。 莉央は俺がいなくても、水泳を続けていけた――。 「先生、また桃北に来て、水泳を教えて下さい!」 莉央は明るい声で言った。 「あ…そうだな、機会があれば。」 でも俺は曖昧な返事しかできなかった。